茨城・八千代町 シンガポールへ販路拡大 ハクサイなど16品目

シンガポールで販売された八千代町産の商品(同町提供)

茨城県八千代町が町内産品の新たな販路拡大を狙い、シンガポールへの輸出に乗り出した。特産のハクサイやふるさと納税で取り扱う商品をアピールする。今年3月に初めて試験販売し、今後もメロンなど種類を増やしながら海外の消費者に〝八千代の味〟を知ってもらいたい考えだ。

町は今回、ハクサイ、干し納豆、サツマイモの加工品、ワイン、しょうゆなど8事業者から計16品目を選び、業者を介して輸出した。販売は3月11~20日、同国の中心街にあるショッピングモール内で行った。

町によると、ハクサイ24個がカット販売も含めて3日で完売した。国内より高い1個約900円相当で販売したが、予想以上の結果に鈴木衛産業建設部長は「驚いた。(他国産と比べ)大きいのが珍しく、差別化になったのでは」と感想を話す。ハクサイ以外では、ふるさと納税で取り扱う地場産品なども販売。干し納豆やサツマイモの加工品も反応が良かった。

近年、町のふるさと納税の寄付額は著しく伸びている。2022年度は前年度比2.2倍の約9億3520万円。件数も同2倍の約7万6200件となった。町はその理由にリピーターの存在のほか、事業者と品目の充実を挙げる。品目は現在530以上を数え、町は農産物に加えて重要な項目と位置付ける。

人口減少時代に突入し、国内消費の先行きは厳しい。生産量日本一をアピールするハクサイは町を代表する存在だが、供給過多による需給バランスが崩れ、価格低迷も懸念材料となっており、町は海外が新たなビジネスチャンスとにらむ。

鈴木部長は、次の農産物として「6、7月にタカミメロンを輸出したい」と展望する。「ふるさと納税では八千代町が選ばれているとの感触を得ている。加工品などの品目を増やし販路の確保、拡大につなげていく。トップセールスや視察もしたい」と話している。

© 株式会社茨城新聞社