長崎・桜町-万才町国道の一部 長崎県内初「ほこみち」に指定 にぎわい創出へ

ほこみちに指定された国道34号=長崎市万才町

 長崎県長崎市中心部の観光施設へのアクセスがいいにもかかわらず、県庁舎や長崎市庁舎移転などもあり交通量や歩行者が減少傾向の同市桜町-万才町の国道34号の一部区間について、国土交通省九州地方整備局は「歩行者利便増進道路」(通称・ほこみち)に指定した。道路占用許可基準を緩和してにぎわい創出を図る。
 指定制度は、にぎわいのある歩行者中心の道路空間をつくるため「道路法等の一部を改正する法律」により2020年に創設。3月末時点で全国109カ所を指定し、県内では初めて。
 指定は県庁跡地付近の江戸町交差点から、市立図書館を経由し旧市庁舎を過ぎた市役所前交差点までの749.3メートル。片側2~3車線で、21年の長崎開港450周年記念事業では一部区間を歩行者天国にするイベントも開いた。
 同制度では、歩道内に特例区域を定め占用許可基準を柔軟にする。道路管理者は占用希望者を公募。占用許可は通常5年だが、特例区域では最長20年認められる。
 県外では特例区域にベンチやテーブルを設置し、食事や物販のスペースをつくるなどして制度を活用している。車線を減らしたり中央分離帯をなくしたりして歩道を広げる例もある。
 長崎河川国道事務所は「今後行政などの関係機関と連携し、活用の方法を考えていく」としている。

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