男性死亡、明かされる状況…パニックの特養職員、気付くと車いすごと蹴っていた 腹腔内出血で息を引き取る

飯能の特養暴行、男性の死因は腹腔内出血

 埼玉県飯能市南川の特別養護老人ホーム「吾野園」で、入居する男性の背中を蹴ったとして、職員の男が逮捕された事件で、搬送先の病院で死亡した男性の死因が打撲による腹腔内出血だったことが11日、飯能署への取材で分かった。署は同日午前、同園職員の男(48)=秩父市野坂町2丁目=を暴行容疑でさいたま地検川越支部に送検。傷害致死容疑を視野に捜査を進める。

 事件の発生は9日午後1時50分ごろ、施設内で介護待ちをしていた男性を車いすごと背後から蹴った。男性はその後、体調が急変。救急搬送されたが死亡した。

 園によると当時、男性は補聴器の電池を交換してもらうのを待っていた際に暴行された。男は、その場にいた他の入居者の介助も必要な状況で、男性に複数の手助けを依頼されたことから「パニックになってしまい、気が付いたらやっていた」と園側に説明したという。署の調べには「見守り中の忙しい時に、男性にいろいろなことを頼まれて、腹が立って蹴った」と供述していた。

© 株式会社埼玉新聞社