京アニ放火事件、初公判は9月5日 来年1月に判決予定、責任能力が争点か

青葉真司被告(2019年7月、京都府宇治市内)

 36人が死亡した京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、京都地裁は12日、殺人や現住建造物等放火などの罪で起訴された青葉真司被告(44)の裁判員裁判の初公判を9月5日に開くことを決めた。判決は来年1月25日に指定した。平成以降で最多の犠牲者を出した殺人事件の公判は発生から4年を経て審理日程が固まった。

 地裁によると、公判は計32回を予定している。初公判の9月5日以降、11月8日まで週2~3回ペースで開く。11月27日に再開し、12月13日までに結審。翌年1月25日に判決を言い渡す見込み。主な争点は刑事責任能力の有無や程度になるとみられ、青葉被告本人が法廷の場で動機をどのように説明するかも注目される。

 地裁では今月8日から、裁判官と検察官、弁護人が争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きが始まり、公判の日程についても協議が続けられていた。遺族らの被害者参加制度の利用は数十人規模になるとみられる。

 起訴状によると、青葉被告は2019年7月18日午前10時半ごろ、京アニ第1スタジオに侵入。ガソリンをまいて放火して全焼させ、屋内にいた社員36人を殺害、32人に重軽傷を負わせたとしている。

 青葉被告は自らも重度のやけどを負い、治療を経て京都府警が20年5月に逮捕した。動機に不可解な面もあり、京都地検は事件当時の精神状態を調べるため同6月から半年間の鑑定留置を実施し、12月に起訴した。その後、弁護側による請求で2度目の精神鑑定が行われ、昨年3月までに終了した。

京都地裁

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