大水など2社に特別清算命令 負債計44億円 茨城・ひたちなか

帝国データバンク水戸支店は12日、不動産賃貸業の大水(茨城県ひたちなか市馬渡)と関連会社のカシマ冷食(同)が東京地裁から特別清産開始命令を受けたと発表した。命令は4月26日付。負債は大水が約40億円、カシマ冷食が約4億円で、2社で計約44億円が見込まれる。

大水は1963年創業。冷凍水産食品の製造や仕入れ販売を主力とし、商品開発や低価格加工を強みに大手商社などへ販路を築いてきた。ピーク時は売上高約70億円(98年6月期)を計上した。

だが、管理面の弱さから不良債権が相次ぎ、不動産取得や海外投資などに伴う過大な借入金で資金繰りが悪化。経営再建のため冷凍水産食品部門を切り離し、不動産賃貸業に転換し、立て直しを図っていた。

グループ会社のカシマ冷食は77年に創業。冷凍食品製造の事業を展開していたが、3億円を超える債務超過に陥るなど業績が低迷。2001年8月に全従業員を解雇し、本店機能を大水に移したものの、事業活動の再開を果たすことができなかった。

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