ISS「きぼう」の訓練公開 宇宙飛行士の古川さん 茨城・つくば

訓練で日本実験棟「きぼう」のエアロックの操作を確認する、古川聡さん=つくば市千現

国際宇宙ステーション(ISS)への長期滞在が年内にも予定されている宇宙飛行士、古川聡さん(59)の訓練が12日、茨城県つくば市千現の宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで公開された。訓練は同センター構内の宇宙ステーション試験棟で行われ、日本実験棟「きぼう」のエアロックの操作を確認した。古川さんは「もう一度宇宙に出張して仕事をしたいという気持ちは強かった」と思いを明かした。

訓練で古川さんは、直径約1.5メートルのエアロックの扉を開けてテーブルを電動で引き出した後、装置を模した長方形の箱を取り付け、再び格納した。格納時に不具合が発生したとの想定で、手動によるテーブル格納にも取り組んだ。

古川さんは横浜市生まれ。医師で、茨城県立中央病院での勤務経験もある。宇宙飛行士には2001年に認定された。ISS滞在は11年以来約12年ぶりで2回目。今回の滞在日程は調整中だが、今夏以降に約半年間の活動を予定する。5月下旬に出国し、米宇宙航空局(NASA)の訓練などを経て打ち上げに備える。

古川さんは訓練後に会見に応じ、自身が責任者を務めた医学研究で不正が発覚した問題を踏まえ、「訓練を積み重ね、技術者やクルーと力を合わせ着実に業務を遂行できることを示したい」と新たな決意を示した。「人である限り間違えてしまう可能性がある。ダブルチェックを徹底し、確実、着実に仕事ができるよう努力していく」と力を込めた。

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