芦屋の学校教育、まちづくりは? 高校生18人、高島市長に質問 意見出し合う場面も

教育などについての質問に答える高島崚輔市長(右上)=芦屋市茶屋之町

 「インクルーシブ教育についてどう考えていますか」「市内に娯楽施設がいると思うんです」-。兵庫県芦屋市在住の高校生でつくるグループ「あしや部」が、同市長に就任した高島崚輔氏(26)にまちのあり方を尋ねる会が7日、西法寺(茶屋之町)であった。同部のメンバー18人が体験談を交えながら、学校教育や魅力的なまちづくりなどについて質問。市長と意見を交換する場面もあった。(村上貴浩)

 あしや部は、自分たちが暮らすまちについて学び、地域活動などに取り組む高校生グループ。市長選を控えた今年3月には、神戸新聞阪神総局とともに、市長候補者4人にまちの現状や未来を問う「あしや若者未来トーク」を開いた。今回改めて、当選した高島市長と話し合う機会を設けた。

 序盤の話題は、障害の有無にかかわらず子どもたちが同じ教育環境で学ぶ「インクルーシブ教育」。メンバーの1人が「障害のある子への対応が先生によって違っていて、自分たちもどうしたらいいか分からないことがあった」と尋ねた。

 高島市長は、学力の差をはじめ、障害の有無などにかかわらずそれぞれの子どもに合った教育を提供する「個別最適化」で対応したいと答え、実現するために教員の働き方改善による時間と人員の確保などの環境を整えるとした。

 一方で「現状ってどうなってるん?」などと逆質問。メンバーからは「芦屋のインクルーシブ教育は進んでいると思う」「他学年だと障害がある子らとの信頼関係をつくるのが難しい」などの意見が出た。「障害のある子たちが自由に行くことができる教室があって、他の生徒ともそこで交流があった」といった体験談も出て、高島市長も「それはめっちゃいいな」と熱心にメモを取っていた。

 その後は、不登校の生徒に対する他の生徒の関わり方や、カラオケ店など市内に娯楽施設がないことなどの話題が挙がり、思い思いの意見を言い合った。

 高島市長は「高校生のことは高校生、小学生のことは小学生というように本人たちが考えるのが良い。今回も一方的ではなく意見を言い合えたことが良かった。これからは直接学校に行き、こうした場をつくりたい」と話した。

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