京都・美山の民生委員、広報誌で住民つなぎ13年 コンクールで最優秀賞に

広報誌の「陽だまり」を手掛けた元委員たち。「委員をやってみようという気持ちになってもらえたら」と願う(南丹市美山町)

 京都府南丹市の美山町民生児童委員協議会は13年にわたり、広報誌「陽だまり」を発行している。地元に根付く民生委員が、趣味を楽しむ高齢者や委員の活動ぶりを紹介。地域の温かな雰囲気や委員のやりがいを伝えている。編集を担った元委員は「住民との信頼関係がある委員が取材するからこそ、見せてもらえる表情がある」と話す。機関紙などのコンクールでは最優秀賞に輝き、継続への意欲を新たにしている。

 2010年から発行。委員が撮影や執筆を担い、年2回出す。「ミヤマをミマモる」をキャッチフレーズに、A4判のカラー刷り、4ページで委員や住民の取り組みを載せている。
 民謡や小物作りを愛する高齢者、手話教室で教える講師、寄せ植え作りなどで交流する委員と高齢者の様子、雪で遊ぶ子どもらが登場。老若男女の柔らかな笑顔が印象的で、元委員の中野真弓さん(60)は「地域の委員だからこそ自然体の写真が撮れる」と語る。

 このほど、22年3月発行の27号の内容が評価され、一般社団法人京都宣伝センター機関紙会館主催のコンクールで最優秀賞を獲得。「まさかと思った。うれしかった」と喜ぶ。

 委員は全国的になり手不足で、美山町でも委員の後継者がなかなか見つからない場合がある。元委員北川幸子さん(73)は「困っている住民を支援機関につなげて感謝されると、やってよかったと思う」とし、同中村惠子さん(72)は「多くの人と知り合えたのがうれしい」とやりがいを強調。陽だまりが、なり手不足解消の一助になるよう願う。

 陽だまりは同町の全戸に配るほか、各振興会などに置いている。

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