代行ドライバー足りない 岩手県内 コロナ禍で離職→需要回復

繁華街の運転代行車列。コロナ禍の長期化で人材が離れ、急な需要回復に対応しきれない=盛岡市大通

 経済活動が長く停滞した新型コロナウイルス禍で人材が離れた運転代行業界が一転、人手不足に悩まされている。社会の正常化で対面の懇親会が増える一方、代行ドライバーは戻らず、需要に追いついていない。電話してから到着まで1時間を超えるケースも。待ちきれずにハンドルを握れば人生が狂い、周囲にも迷惑をかけるだけに、防犯関係機関は公共交通手段を使うなどの心構えを呼びかける。

 コロナが「5類」移行して間もない12日夜、岩手県盛岡市大通の繁華街。仕事帰りのサラリーマンが多く行き交う横で、運転代行の車が忙しそうに出入りした。

 コロナの収束傾向で、運転代行の引き合いが強まる。盛岡市近郊を中心に営業する帝都運転代行社(滝沢市、佐々木明彦社長)では最近、1日当たり130~160件とコロナ前と同水準まで回復した。

 だが、同社の佐々木文也専務(32)の心境は複雑だ。コロナ禍でドライバーが離職し、車両も減らしたため1日当たり100件ほどしか応えるのは難しい。

© 株式会社岩手日報社