ファンタジー武器で敵キャラ倒そう 勇者になれる体験型ゲームアトラクション完成 高砂

黒騎士との決闘。最高難度はとんでもない強さという=高砂市荒井町日之出町

 アニメやゲームのアイテムとして登場するような空想の武器(ファンタジー武器)を製作する兵庫県高砂市荒井町の町工場「匠工芸」に今月、体験型ゲームアトラクション「テイル・フロム・エファンゲーリウム」がお目見えする。剣を手に取り、大画面の敵キャラと対戦。折井匠社長(44)は「どうしても実現したい子どもの頃からの夢だった。ファンタジーの世界を体感してほしい」と目を輝かせる。(増井哲夫)

 山陽電鉄荒井駅を東へすぐ、超有名ロボットアニメのカラーリングの工場が見えてくる。中へ入ると巨大なマシンが2台。プラスチックを自在に加工する特殊な機械「NCルータ」だ。0.01ミリ単位で精密な加工ができ、曲線や彫り込みも自由自在といい、グラフィックソフトと連動し、イラスト通りに加工できる。

 「焦熱地獄から採取した炎でつくられ…」などデザインにストーリー性を持たせた剣をはじめ「ファンタジー愛」が詰まった製品の数々を世に送り出す。

 折井さんは高校卒業後、プラスチック加工会社などに勤務し、2008年に独立。しかし、会社を維持していかねばならない現実の前に、思うようなものづくりができず、悩んだ。そんな時に思い出したのがプラモデル作りやゲームに夢中になった少年時代だ。「わくわくするような物をつくろう」と一念発起。15年、「ファンタジー武器屋タクミアーマリー」を発足した。

 今回のアトラクションは「ファンタジーの世界を現実に」という、折井さんのものづくりの原点。2年前から構想を温め、ウェブ制作会社と開発を進めてきた。

 幅2.4メートル、高さ2.2メートルの巨大スクリーンに「黒騎士」が登場。剣を振り下ろすと、モーションセンサーが反応し、場所やタイミングによりダメージを与えることができる。逆に攻撃を受けるとプレーヤーのポイントが減っていく。黒騎士とのバトルにたどり着くまでにも、さまざまな工夫を凝らし雰囲気を盛り上げる。

 1プレイ1万円とゲームとしては破格だが、事業支援のためのクラウドファンディングでは約40人の応募があり、アクリル製カードのチケットを入手した。

 完成は今月下旬。7月から一般予約を受け付ける予定だ。詳細は公式サイト(https://talefromevangelium.com/)で。匠工芸TEL079.445.4500

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