“0か100か”のループに終止符 申ジエは雨でも傘を差さずパワー温存

好成績の翌週に予選落ちの流れを断ち切った(撮影/高藪望)

◇国内女子◇RKB×三井松島レディス 2日目(13日)◇福岡CC 和白コース(福岡県)◇6299yd(パー72)◇雨(観衆2789人)

申ジエが珍しい“ループ”を自ら断ち切った。開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」を制して最高のスタートを切ったかに見えたが、続く「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」で予選落ち。その後も3位タイ→予選落ち→2位タイ→予選落ちと好成績の翌週に決勝ラウンドにも残れない流れが続いていた。

前週「ワールドレディスサロンパスカップ」で2位となって臨んだ今大会。しっかり予選を通っただけでなく、通算8アンダーでトップに並んで最終日を迎えることになった。「今年の分の予選落ちが最初に全部出たんだと思うようにしています。シーズンが始まったばかりでいろんなことを試しながらやったので、結果が“0か100か”みたいになっていたけど、もう大丈夫」とほほ笑んだ。

なるべく傘を差さなかった理由は(撮影/高藪望)

天候が崩れた一日にあってなるべく自分で傘を差さなかったのは、手術した手首の状態を考えてのことだという。「疲れないように。握力は戻ったし、痛みまではないけど、維持できる時間が短いのかな」。冷たい雨にぬれることがあっても、終盤の勝負どころまで力を残しておくことを優先した。

福岡で7年ぶりの大会制覇を狙う(撮影/高藪望)

有言実行だったのは後半17番。右手前のガードバンカーを越えたエリアに切られたシビアなピン位置は、13番グリーンから14番ティへ向かって歩く途中に横目でチェックしていた。残り85ydのウェッジショットを手前のエッジギリギリに落としたセカンドは「(チャンスメークには)それしかなかった」とイメージしていた通りの完璧な一打。3mのバーディパットも納得のタッチでねじ込んでこぶしを握った。

「17番はあしたにつながる良いバーディ。数少ない福岡の試合で、ギャラリーの皆さんと一緒に頑張れれば」。最終日最終組で2016年大会以来、7年ぶりの大会制覇を目指す。(福岡市東区/亀山泰宏)

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