長い尾が特徴の夏鳥「サンコウチョウ」が、尼崎市臨海部に位置する兵庫県立尼崎の森中央緑地で飛ぶ姿を、写真愛好家の高橋正晴さん(78)=西宮市=が撮影した。
「ツキ(月)ヒ(日)ホシ(星)」と鳴くように聞こえることから、三つの光の名で呼ばれる。
5月ごろ東南アジアから日本に飛来し、薄暗い林で繁殖する。オスは体長の7割近くに当たる30センチ前後の尾羽をなびかせて飛び、目の周りとくちばしのコバルトブルーとともに愛鳥家の人気を集める。
同緑地は製鉄所の跡地を活用した都市公園として2006年に開園し、約29.1ヘクタールの敷地で県内由来の草木を種から育てる森づくりを進めている。
撮影したのは緑地内の森(約5千平方メートル)で、コナラやムクノキなど里山の木が育つ場所という。5年ほど前から渡り鳥が見られるようになり、今年も5月初め、オオルリやキビタキなどとともに確認した。
さらに高橋さんは、同じ緑地で数日後、ホンドギツネの姿を捉えることにも成功した。写真は後ろ姿となったが「キツネがいるなんて頭になかったから本当に驚いた」と振り返る。
同緑地の管理に携わる石丸京子さん(60)は「工場跡地の小さな森にいろんな野生動物が姿を見せてくれるようになりうれしい。さらに豊かな生物多様性を目指したい」と話している。(鈴木雅之)