世界の石川佳純、神戸で卓球教室 「なんで引退するんですか?」女子児童の質問にも真剣回答

実技指導で笑顔を見せる石川選手=神戸市長田区二葉町5、卓球場「Kunizuka TAQ」

 五輪の卓球女子で、3大会連続でメダルを獲得した石川佳純選手(30)=全農=が13日、神戸市長田区で小学生向けの卓球教室を開いた。今月1日に現役を引退すると発表した石川選手。子どもたちは、10年以上世界の一線で活躍し続けてきた選手の技を間近に見て、圧倒されていた。

 小学1年から競技を始めた石川選手は、小学6年時には全日本選手権の女子一般の部に初出場。五輪では、女子団体で、12年ロンドン大会、16年リオデジャネイロ大会、21年東京大会-と、3大会連続でメダルを獲得した。

 同日の卓球教室は、「何かに全力で取り組む大切さを学んでほしい」と、同区の地域活性化に力を注ぐ団体「くにづかリボーンプロジェクト」などが主催。同市内の卓球クラブに所属する小学生61人が参加した。

 実技指導では、石川選手が6つの卓球台を巡り、子どものレベルに応じ、専門用語を使ったり、手を取ったりして優しく教えた。成人を相手にした手本の披露で本格的なスマッシュを見せると、あまりの迫力に「おお」と、児童から驚きの声が上がった。

 実技指導後のトークショーでは、男子児童から「(試合中に劣勢となり)へこんだ時はどうしていますか」と聞かれ、「打っている時だけが勝負じゃない。いつでも弱気な顔を見せないこと」とアドバイス。また、女子児童から「なんで引退するんですか」と聞かれ、「プロ12年間、自分に厳しくしてきて、頑張ることができたと思えた。やりきったという思い」と真剣な表情で答えていた。

 石川選手とのラリーを経験した同市中央区の小学4年生成田勘さん(9)は、「毎日4時間練習しているけど、石川選手を見て、もっと強くなりたいと思った」と話した。(劉 楓音)

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