県高校総体前特集 バスケットボール男子(5) 悔しさバネに再興目指す大分舞鶴 【大分県】

県高校総体の前哨戦となった南九州四県対抗バスケットボール選手権(南九)の男子県予選では、別府溝部学園が2月の県高校新人大会に続き優勝した。頭ひとつ抜けつつある別府溝部学園を追うのは、どの高校か。県高校総体に向けて実力校の現在地を探った。

第5回は南九県予選の準々決勝で敗退し、再起を懸ける大分舞鶴を紹介する。

■昨年度の主な成績■

県高校新人大会 ベスト4

ウインターカップ県予選 ベスト8

県高校総体 ベスト4

かつて常勝軍団として名をはせたが、2018年の県総体を最後にタイトルから遠ざかっている大分舞鶴。新チームとなってからも厳しい戦いが続いているが、「再び全国へ」という思いは変わらない。「今年のチームは、全員で勝とうという姿勢が見える」と池田剛監督。「飛び抜けた才能を持つ選手がいないからこそ、一人一人が自分の役割をしっかりと認識し、チームへの貢献を目標に努力を重ねている」という。

県新人大会、南九県予選では試合の立ち上がりが悪く、ペースをつかむまでに時間がかかってしまったことが敗因のひとつ。また、相手のキープレーヤーに大量得点を許す試合もあり、「試合の中で修正力を付けることが課題」と池田監督。これには経験値が必要と考え、県高校総体までに1試合でも多く対外試合を重ねて強化を図っている。

チームの精神的支柱となる林孟

先発メンバーは3年生となるが、1、2年生の成長によってチーム内で競争心が芽生えていることも、チーム全体の成長へとつながっている。キャプテンの林孟(3年)は、「チームの精神的な支えになる存在」と池田監督が言うように、練習では監督の代弁者として、試合ではコミュニケーションの中心となってチームをけん引する。188cmの清水陽生(同)、190cmの中西海里(同)の高さも武器だが、2人の高さをもっても別府溝部学園や柳ケ浦の留学生相手には厳しい戦いを強いられる。「全員が1試合の得点目標を持って試合に挑んでいる。どこからでも狙える練習に励んでいる」と清水。相手チームの特徴をしっかりと捉え、どう勝ち上がっていくかを見極める対応力で挑む。

結果が出ずに悔しい試合が続いたが、気持ちを切り替えて県総体に向けて全力を注ぐ。負ける悔しさを知る選手たちの伸びしろは無限大で、「これまでの結果を発奮材料にしていく」と池田監督。リベンジに向けて、まずは王座奪還で反撃ののろしを上げる覚悟だ。

全員バスケを目指す

(黒木ゆか)

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