実生活でも仲良し 同郷の光石研&松重豊が北九州弁で共演 軽快なテンポの会話 「逃げきれた夢」本編映像

2023年6月9日より劇場公開される、光石研主演の映画「逃げきれた夢」から、実生活でも仲の良い光石研と松重豊が旧知の友役として北九州弁を交わすシーンの、本編映像が公開された。

映像は、人生のターニングポイントを迎えた中年男・末永周平(光石研)に、旧友の石田(松重豊)が、「珍しいのう、校長先生かぁ」と声を掛け、実際は定時制の教頭である周平の「校長ちゅねぇよバーカ」というツッコミで返すシーンを皮切りに、軽快な北九州弁による会話がテンポ良く繰り広げられていく。

本作の脚本には石田が何度も口にする「しゃあしい(意味:うるさい)」を始め、リアルさを追求する二ノ宮監督のこだわりから、九州弁の分からない人にとっては聞き慣れない方言も多く登場する。現場では北九州出身の光石に対して、神奈川県出身の二ノ宮監督から北九州弁の言い回しの相談も度々あったという。

松重との共演について光石は「僕との関係性もあってこの映画に出てくださったと思うので、ものすごく感謝しています」と同郷であり長年の役者仲間の心意気に頭が上がらないことを語っている。その気持ちへ答えるように、松重は「光石さんが素敵に映らないとこの映画自体が成立しないと思いますし、光石研という世の映画スタッフ・キャスト、全ての人に愛されている人が光り輝くような映画になればいいなと思いながら撮影に参加しました」と、大好きな俳優・光石研への思いを語明かしている。

「逃げきれた夢」は、人生のターニングポイントを迎えた中年男が新たな一歩を踏み出すまでを描いた作品。北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平。ある日、元教え子の南が働く定食屋で、周平は支払いをせず無言で立ち去ってしまう。記憶が薄れていく症状によって、これまでのように生きられなくなってしまった末永。妻の彰子との仲は冷え切り、一人娘の由真は父親よりスマホ相手の方が楽しそうだ。旧友の石田との時間も、ちっとも大切にしていない。周平は、「これから」のために、「これまで」を見つめ直していく。

主演は、映画デビューから45年にわたり、日本の映画・ドラマ界で活躍してきた光石研。「あぜ道のダンディ」から12年ぶりの映画単独主演作となる。光石本人の人生のエッセンスを注入したという物語は、生まれ故郷で青春時代を過ごした福岡県北九州市のオールロケで撮影された。物語のカギを握る周平の元教え子・平賀南には、光石研と同じく北九州出身の吉本実憂が、オーディションで選ばれた。主人公の妻を坂井真紀、娘を工藤遥、旧友役を光石研本人とも気心の知れた松重豊が務める。

監督・脚本は、二ノ宮隆太郎。瀬々敬久監督が審査員を務めた2019年フィルメックス新人監督賞のグランプリ受賞作である脚本をもとに、二ノ宮監督自らがメガホンを取り、商業映画デビューを飾った。

【作品情報】
逃げきれた夢
2023年6月9日(金)より新宿武蔵野館、シアター・イメージフォーラムほか全国ロードショー
配給:キノフィルムズ
©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ

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