相撲団体、黒羽が15連覇 不測の事態越え王座守る 栃木県高校総体

相撲団体リーグ戦 黒羽-矢板 黒羽の佐川(左)がおしたおしで優勝を決める=県総合運動公園相撲場

 県高校総体は13日、県総合運動公園相撲場ほかで相撲と剣道、陸上などを行った。相撲団体は3校によるリーグ戦を黒羽が制し、15連覇。個人戦は黒羽勢が5階級のうち3階級で頂点に立った。

 王座は譲らない。相撲団体の黒羽は15大会連続の頂点。大会前に主力メンバーが負傷するアクシデントを乗り越え、西方航(にしかたわたる)監督も「一人一人が力を出し切ってくれた」とチームの団結力をたたえた。

 初陣の1年生を二陣と中堅に置く布陣だったが、「後輩の前で恥ずかしい試合はできない」と先鋒(せんぽう)の直江重虎(なおえしげとら)主将が奮起。相手の張り手に耐えながら、はたき込みで幸先良く先手を奪うと、続く庭野哲平(にわのてっぺい)は土俵際での激しい攻防の上に最後はすくいなげ。西方監督が「2-0とリードしたのが大きかった」と勝利のポイントを挙げ、庭野も「ベストを尽くせた」と胸を張った。

 中堅の横山颯(よこやまはやて)は惜しくも敗れてしまったものの、副将の2年佐川勇斗(さがわゆうと)が立ちはだかった。立ち合いでは低く潜り込んできた相手に担ぎ上げられ、「一瞬焦った」という。しかし、そこからが佐川の真骨頂。持ち味のパワーで相手を土俵際まで押し返し、最後はおしたおしで勝負あり。「理想とする相撲ではなかったが、勝てたことが何より」とうなずいた。

 昨秋の関東はあと一歩のところで連覇を逃したが、この春に新たなメンバーを迎え入れた直江主将は「これからもっと強くなれる」と言い切る。県王者として改めて挑む関東の舞台。その自信を揺るぎないものにする。

相撲団体優勝の黒羽
相撲団体優勝の黒羽

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