「ばあちゃん」の思い出映画に DJ Keiさん原作、脚本、監督 11月に完成予定

短編映画の撮影を見守る菊池さん(左)

 【那須塩原・那須】宇都宮市出身のラジオパーソナリティー「DJ Kei」こと菊池元男(きくちもとお)さん(57)の体験を基に、那須塩原市と那須町の住民らが製作する短編映画「ありがとう・ばあちゃん」の撮影が3、4の両日に同市内で行われた。映画には地元の小中学生や園児が出演。原作、脚本、監督を手がける菊池さんは「いろいろな出会いやタイミングがかみ合い、夢がかなった」と関係者の協力に感謝している。

 映画は菊池さんが幼少期、仕事で多忙だった両親に代わって面倒を見てくれた大叔母との十数年にわたる思い出を描いた内容。いつも温かく、いたずらをしても叱るどころか褒めてくれる「ばあちゃん」に心を許してきた菊池さんは、ふとしたきっかけで自身に注がれた深い愛情の理由を知る。ばあちゃんは、菊池さんが中学生の時に病気で亡くなったという。

 菊池さんは昨年7月、メインパーソナリティーを務めるCRT栃木放送のラジオ番組「おばあちゃんにラジオ」の中で、このエピソードを披露。番組スポンサー「なすの斎場グループ」(那須塩原市前弥六)の社長で、自身も月1回番組出演する関口将仁(せきぐちまさひと)さん(41)が映画化を提案し、同12月に決定した。

 映画制作委員会の事務局を務める関口さんは「地域の子どもたちに夢を与えたい」と、那須塩原市教委と那須町教委を通して両市町の小中学生にチラシを届け、出演者や撮影スタッフとしての参加を呼びかけた。菊池さんの幼少期を演じる主役は、年代別に3人をオーディションで決定した。

 3日は那須塩原市島方の黒磯いずみ幼稚園と近くの公園で撮影。出演する子どもたちは、映像監督を務める一般社団法人「nasu lab.(ナスラボ)」代表理事の木下愛貴(きのしたあいき)さん(35)の指示を受け、童謡を歌ったり遊んだりした。小学生時代の菊池さんを演じた那須塩原市大原間小4年松本(まつもと)飛鳥(あすか)君(9)は「最初は緊張したが、何回もせりふを言って慣れた」と笑顔で話した。

 菊池さんは「映画を見た人が、大切な人を思い出し、感謝の気持ちを伝えるきっかけになればうれしい」と完成を心待ちにしていた。映画は今年11月ごろに完成し、公共施設などで上映される予定。

短編映画の原作、脚本、監督を手がける菊池さん(右)と映像監督の木下さん

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