【マレーシア】1~3月の景気動向指数、コロナ収束で改善[経済]

マレーシアの政府系シンクタンク、マレーシア経済研究所(MIER)が12日発表した2023年第1四半期(1~3月)の景気動向指数(BCI)は95.4で、前期から9.5ポイント上昇した。楽観的・悲観的の分かれ目となる100を依然下回ったが、新型コロナウイルスの収束に伴い、景気が回復基調にあることが示された。

売上高について「良好」と回答した企業は30%にとどまり、「減少した」と「変わらない」はそれぞれ35%だった。

業種別では、紙・紙製品、プラスチック製品、家具で「減少した」との回答が目立った。一方、自動車・輸送用機器、電子機器では、全企業が「良好」と答えた。化学・化学製品、医薬品、非金属鉱物製品、金属製品では、「減少した」と「良好」との回答が半々だった。

輸出需要の指数は42.9と、前期比19.6ポイント上昇した。受注が減少したと答えた企業は33%と、前期の67%から大幅に減少した。一方、▽精製石油製品▽プラスチック製品▽自動車・輸送用機器▽家具——の4業種では受注が減少した。

1~3月の雇用情勢は改善した。人員を拡大した企業は30%に上り、削減した企業は17%にとどまった。第2四半期(4~6月)の見通しについては、61%が雇用情勢は変わらないとし、26%が改善すると予測している。

期待指数(EI)は115.8ポイントと、前期から7.4ポイント上昇した。

■消費者心理は悪化

1~3月の消費者信頼感指数(CSI)は99.2となり、前期から6.1ポイント低下した。楽観的・悲観的の分かれ目となる100を再び割り込んだ。雇用情勢や所得向上の不透明感やインフレ加速に対する懸念により消費者心理が冷え込んだもようだ。

家計の状況については、「所得の向上が見込める」とした人の割合は19%にとどまり、前期から8ポイント減少した。「変わらない」との回答が47%で、大半を占めた。

雇用情勢についても、「就業機会が増加する」との回答が28%にとどまり、前期比8ポイント減少した。

インフレに対する懸念は強まっている。「物価の上昇を懸念している」との回答は85%に上り、前期から11ポイント増加した。一方、購買意欲は堅調で、特に家具の購入を検討する人の増加が目立った。住宅や自動車、テレビに関して買い時と考える人の割合も前期からわずかに増加した。

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