ジャニーズ事務所の性加害問題で藤島ジュリー景子社長が謝罪、事実認定は避ける 社内にコンプライアンス委員会を設置

ジャニーズ事務所のホームページに掲載された、前社長による性加害問題を巡り謝罪する藤島ジュリー景子社長の動画と文書

 ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長から性加害があったとする元ジャニーズJr.の男性の告発を巡り、同事務所の藤島ジュリー景子社長は5月14日、謝罪する動画と文書を発表した。藤島社長は、告発者やファンに対し「何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くおわび申し上げます。関係者の方々、ファンの皆さまに大きな失望とご不安を与えてしまいましたこと、重ねておわび申し上げます」と述べた。

 藤島社長は、メディアなどからの質問に答える形で、同社ホームページを通して見解を表明した。告発への受け止めについては「事実であるとすれば、まず被害を訴えておられる方々に対してどのように向き合うべきか、また事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題だと受け止めました」と表現。告発が事実かどうかとの質問には「当然のことながら問題がなかったとは一切思っておりません」としつつも、「当事者であるジャニー喜多川に確認できない」として事実認定は避けた。

 性加害については「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」と打ち明け、週刊文春から取材があった1999年当時は、取締役の立場であったものの「この二人(ジャニー喜多川氏とメリー喜多川氏)だけであらゆることを決定していました」と記載。2人以外は、任された役割以外の会社管理・運営に対する発言はできない状況で、取締役会と呼べるようなものは開かれたことがなく、性加害の問題を含めて重要な情報は知ることができない状況が恒常化していたという。

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 こうした環境について「私自身その異常性に違和感を持つことができなかったわけで、ただただ情けなく、深く後悔しております」とつづった。

 再発防止策に関しては、外部からの協力を受けて社内に「コンプライアンス委員会」を設置したと記載。専門家の指導の下、5月中に社外に相談窓口を設け被害者対策を行う姿勢を打ち出した。

 会見をすぐに行わなかったことについては「まずは事実を確認し、責任を持って対応すべきだと考えた」とし、個人のプラバシーにも関わるデリケートでセンシティブな問題として「社内調査や対応策についての協議などを慎重に進めていた」と説明した。

 前社長の性加害疑惑を巡っては、ジャニーズJr.として活動していた歌手のカウアン・オカモトさんが「週刊文春」に告発した。英BBC放送も3月、別の人物の証言を報じるドキュメンタリー番組を放送。今年4月には、オカモトさんが東京都内で記者会見し、事務所に所属当時、故ジャニー喜多川前社長から「12~16年に15~220回ほど性的被害を受けた」と主張した。

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