先進7カ国(G7)保健相会合は13日、長崎県長崎市尾上町の出島メッセ長崎で開幕した。新型コロナウイルスへの対応で、ワクチンが発展途上国などに十分に届かなかった教訓を踏まえ、世界各国に行き渡るよう、供給方法を改善する必要があるとの認識で一致した。最終日の14日に議論の成果を盛り込んだ共同宣言を採択する予定。
本県でG7閣僚会合が開かれるのは初めて。G7と欧州連合(EU)、招待国のインド、インドネシア、ベトナムの保健相らが出席した。
議長を務める加藤勝信厚生労働相は冒頭、新型コロナ禍を踏まえ、感染症危機に対処するには「平時からの強靱(きょうじん)な保健システムの構築」が重要と強調。実現に向け、G7の目指すべき方向性や行動を成果文書としてまとめ、発信したい考えを示した。
将来の感染症危機に備え、ワクチンや治療薬、検査薬の製造・流通を円滑に行えるよう、国際機関などとの協力を深める。具体的な仕組みは今後検討する。
厚労省によると、被爆の惨禍から立ち直った「平和の象徴」として長崎での開催を歓迎する声も上がったという。
出島メッセには展示ブースも設けられ、本県の観光や平和関連、長崎大熱帯医学研究所の取り組みなどを紹介。夜は加藤厚労相主催のレセプションがあり、長崎女子高龍踊(じゃおどり)部が迫力ある演技で歓迎した。
最終日は、健康医療関連の技術革新の促進などについて協議する見通し。県と長崎市主催の昼食会も開かれる。
ワクチン供給改善で一致 長崎・G7保健相会合が開幕
- Published
- 2023/05/15 10:30 (JST)
- Updated
- 2023/05/16 13:10 (JST)
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