昭和初期の観光パンフずらり 長崎県郷土資料センターで所蔵品展 6月18日まで

雲仙・小浜のカラフルな鳥瞰図などが展示された所蔵品展「昭和ロマンの旅」=長崎市、県立長崎図書館郷土資料センター

 長崎県長崎市立山1丁目の県立長崎図書館郷土資料センターで、明治時代から外国人に人気の避暑地だった雲仙など、国内外各地の昭和初期の観光パンフレットを並べた所蔵品展「昭和ロマンの旅」が開かれている。無料。6月18日まで。
 雲仙は明治期、長崎の居留地から訪れることができる避暑地として外国人に知られた。県は1911(明治44)年、県温泉(うんぜん)公園事務所を開設し観光事業に着手。官民を挙げた運動で34(昭和9)年、国内初の国立公園3カ所の一つに指定された。
 同センターは2006年閉鎖された県雲仙公園事務所の資料を所蔵。その中から今回は県内や国内、海外の観光地のパンフレットなど約80点を展示。国立公園の指定前後に参考資料として集められたという。
 雲仙に関しては、県や観光事業者がPRに使った絵図や観光地図、絵はがき、外国人向けパンフレットなどを出展。雲仙、小浜を当時流行の鳥瞰(ちょうかん)図で描いた「雲仙小浜名所絵図」など、レトロでカラフルなデザインが目を引く。
 ほかに県内の原城跡、轟峡といった観光地の古めかしい案内パンフレットも。県外は北海道から鹿児島まで各地の温泉地や景勝地の資料、鉄道路線図など。海外では、長崎と関係が深かった上海、戦前に日本の植民地だったアジア各地、海外航路の案内文書などが並ぶ。
 同センターは「昭和初期の観光PRがどう展開されていたかが分かる資料。雲仙の県事務所が、これほどの観光パンフレットを収集していたことも知ってほしい」としている。
 展示最終日の6月18日午後1時半から、長崎外国人居留地の研究者で著書「欧米人が歩いた 長崎から雲仙への道」を3月出版したブライアン・バークガフニさんの講演会を予定している。問い合わせは同センター(電095.826.5257)。

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