Moto3:佐々木歩夢が今季初表彰台「大きなリスクを冒さずに2位を獲得できたことを嬉しく思う」/第5戦フランスGP

 5月14日、2023年MotoGP第5戦フランスGP Moto3クラスの決勝がフランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が2位表彰台を獲得した。

 佐々木は初日のP1をトップで終えると、P2では自己ベストを1分41秒983に縮め、総合2位と好調な走り出しを見せていた。ダイレクトで進出した予選Q2では、ラストアタックで自己ベストを0.353秒上回る1分41秒630をマークし、今季3度目のポールポジションを獲得した。

 20周で行われる決勝レースは気温19度、路面温度32度のドライコンディションでスタートした。佐々木はホールショットを奪うが、その直後の2コーナーでダニエル・オルガド(Red Bull KTM Tech 3)に交わされ、2番手でオープニングラップを終える。

 その後、佐々木とオルガドは抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げるが、トップは依然変わらずオルガドが死守。先頭集団に大きく順位に変動こそなかったものの、7台がひしめき合う状況が終盤まで続いていた。さらに、佐々木はジャウマ・マシア(Leopard Racing)にパスされて一時3番手に後退するも、すぐに奪い返す。

Moto3:佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第5戦フランスGP 決勝

 そして、残り周回数が少なくなる頃にはトップのオルガドがペースアップを図るが、佐々木もそれに負けずとファステストを叩き出して距離を詰めていく。ファイナルラップで接近戦となったが、オルガドがそのまま逃げ切り、佐々木は2位でチェッカーを受けた。

 佐々木は今シーズン、第1戦ポルトガルGPと第2戦アルゼンチンGPでポールポジションを獲得。ところが開幕戦は6位、アルゼンチンGPと第3戦アメリカズGPでは転倒リタイアで終えていた。前戦のスペインGPでは4位とあと一歩表彰台に届かなかったが、今大会でその悔しさをバネにようやく今季初表彰台を掴み取った。

■Liqui Moly Husqvarna Intact GP佐々木歩夢(決勝:2位)
「良いレースでしたが、(ダニエル・)オルガドのペースはかなり強かったです。最初は僕のペースが少し良かったかもしれないですが、彼は明らかにレースをリードしようとしていたので、彼を観察して何人が集団にいるかを確認するために2番手にいました」

「特に大きなリスクを冒さずに2位を獲得できたことを嬉しく思います。残り5周くらいで(ジャウマ・)マシアに追い越され、オルガドが少しプッシュし始めたので、僕は頑張って2番手に戻りました」

「快調だったし、オルガドのすぐ後ろにいたから最終ラップではアタックできると思いましたが、シーズン初めは簡単ではなかったし、僕たちが望むところにいなかったので、今回はすべてを賭けることはできませんでした。もちろん、レースに勝つために努力する必要はありますが、今日はその日ではなかったと思います」

「バイクの調子、スピード、ペースなども良く、2位には満足しています。ミスがなかったことがうれしく、次のレースに向けて自信がつきました。シーズン初めは勝利のためにリスクを冒して、逆に表彰台を逃したので、今回はもう少し考えて物事に取り組みたかったし、それが『勝利に戻る方法』だと思っています」

Moto3:佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第5戦フランスGP 決勝
Moto3:佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第5戦フランスGP 決勝

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