岩手県内高まる将棋熱、女性愛好家どう増やす 普及の鍵は

いろいろな人とハンデ無しの平手で指し、練習を積む畠山史子さん=一関市大東町

 岩手県初のプロ棋士小山怜央四段(釜石市出身)の誕生で、かつてないほど盛り上がる県内将棋界。28日には宮古市で藤井聡太六冠と菅井竜也八段による第8期叡王戦5番勝負第4局も開催される。将棋への関心が高まる一方で全国的に愛好者は減少しており、特に女性は少ない。県内の女性愛好者らに将棋の魅力を聞き、現状と課題を探った。

(文化部・佐藤志歩)

 パチ。一関市大東町摺沢の日本将棋連盟「一関ごきげん支部」道場に駒の音が静かに響く。練習に励むのは畠山史子さん(一関一高1年)。昨年の第23回県女流名人戦の優勝者だ。

 将棋を始めたのは保育園年中の頃。3歳上の兄が学童で将棋をしていたのがきっかけ。駒が動物でマス目も少ない子ども向けの「どうぶつしょうぎ」に取り組み、年長で子ども大会への参加を始めた。同連盟大船渡支部の平山敏夫支部長らの指導を受けてきた。

 目標は鈴木環那(かんな)女流三段。鈴木さんは東日本大震災後、復興支援のため何度も来県し、畠山さんも指導を受けた。「分からないところも優しく教えてくれた」とあこがれる。

 年齢を問わず楽しめる将棋。子ども向けの将棋セットは大人の初心者にも最適で、記者も「どうぶつしょうぎ」で基本に触れている。親子や祖父母と孫で楽しむ人が増えれば、競技人口維持にもつながりそうだ。

© 株式会社岩手日報社