タイ、政権交代へ連立協議開始 親軍脱却目指す、長期化も

バンコクのタイ貢献党本部で記者会見するペートンタン氏(左)=15日(共同)

 【バンコク共同】タイ下院(定数500)総選挙で第1党となった革新系野党「前進党」は15日、第2党でタクシン元首相派の野党「タイ貢献党」などに連立政権入りを要請し、協議を開始した。2014年のクーデター後に続いた親軍政権からの脱却を目指し、連立交渉が本格化する。前進党は152議席、貢献党は141議席で、両党で293議席を獲得し親軍派に圧勝した。

 野党2党が交渉の軸になるが、王室改革を主張する前進党に対し貢献党は慎重な立場。各党の複雑な対立関係も絡み合い、協議は長期化の恐れがある。親軍派が政権入りする可能性も指摘されている。投票率は75.22%。

 首相指名には軍の支配下にある上院(250議席)も加わる。政権樹立には376議席が必要だ。

 前進党のピタ党首は15日記者会見し、貢献党など5党に連立を申し入れたと表明した。自党を合わせ309議席を確保できると述べ、政権樹立に意欲を示した。タクシン氏の次女で貢献党首相候補のペートンタン氏とは短時間電話協議もした。

バンコクの前進党本部で記者会見するピタ党首=15日(共同)

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