G7広島サミットを前に岸田総理がRCCのインタビューに応じました。「核兵器のない世界を目指し、“あのとき流れが変わった” と言われるぐらいの大きなメッセージを発していきたい」と意気込みを語っています。
「日本の歴史においても最も重要なサミットになると感じている」
13日、広島入りし、首脳会議場などを視察した岸田総理―。
ライフワークとする「核兵器のない世界」に向けて、厳しい国際情勢の中での議論に臨みます。
岸田総理
「厳しい現実を前にしてその理想の部分、核兵器のない世界を目指すという理想の部分まで今、機運が後退している。これは深刻に考えないといけない事態だと思います」
「現実が厳しければ厳しいほど、あらたてわれわれは理想について思い返して、ともに努力をしようという思いを再確認して、そうして努力をする、その道のりを今からでも再び始めていかなければならない、こういった強い危機感を持っています」
岸田総理は、去年8月にNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議で提唱したヒロシマアクションプランに基づいて議論をリードする考えを示しました。
ヒロシマアクションプランとは、核兵器不使用の継続の重要性や核兵器数の減少傾向の維持、核戦力の透明性向上などを掲げたものです。
岸田総理
「厳しい現実があるからこそ、理想への道のり、どのようなロードマップで理想に向けて、われわれは努力すべきなのか、これを語らなければならない、そういった1つのきっかけに今回のG7サミットはしていきたいと思います」
国際社会は、G7をはじめとする核抑止政策を取る国と、核兵器禁止条約に参加する国との間で溝が深まっています。
岸田総理
「まず、基本はまさに信頼を取り戻すためにNPT体制を維持し、強化していかなければならないと思います。なぜならば、実際に現実を動かすカギを握っている核兵器国が参加している枠組み、これがNPT体制だからです」
「信頼のためには何が必要か、核兵器を持っている国の透明性、自らどういった実態にあるか、これを国際社会にしっかり明らかにする、透明性こそ、信頼のベースである」
「G7からまずはメッセージを発することによってG7以外の核兵器国にもこうした機運を広げていく努力をしていかなければならないと思っています」
サミット初日、岸田総理は、平和公園でG7首脳を出迎えます。原爆資料館の見学や被爆者との対話など平和公園でのスケジュールや内容については、「会議のぎりぎりまで調整が続く」としていますが、原爆が人間に何をもたらしたのかをG7首脳らに直接、伝える機会となります。
「わたしも広島出身の政治家として幼いころから大人たちの話、特にわたしの場合、祖母の話が多かったですが、8月6日、どんなことが起きたのか、悲惨な話は小さいころからわたしの胸に刻み込まれてきました。そういった思いが政治家になってからも核兵器のない世界を目指す取り組みにおいて、わたし自身を突き動かしていると思っています。」
「核兵器のない世界を目指すライフワークについても長い目で見て、”あのとき 流れが変わった” と言われるぐらいの大きなメッセージを発していきたいと思っています」