セナのF1カー来た 高岡でクラシックカーの世界

展示されたセナのマシンを鑑賞する来場者=高岡市の高岡おとぎの森公園

 国内外の往年の名車を展示する「クラシックカーの世界」(高岡おとぎの森公園主催)は14日、高岡市の同公園で開かれた。愛好者の65台に加え、自動車レースのF1で「音速の貴公子」と呼ばれた伝説のドライバー、アイルトン・セナ(ブラジル)が乗車したF1カーが展示され、一目見ようと多くの来場者が続々と訪れた。

 前年の開催時はクラシックカーのみの展示だったが、セナ好きが高じてヘルメットやミニカーなどを収集してきた同公園の吉﨑正人所長のコレクションが関係者の目にとまり、セナが乗車したマシン「マクラーレン・ホンダMP4/4」と、チームメートのゲルハルト・ベルガー(オーストリア)の「マクラーレン・ホンダMP4/6」の2台が展示されることになった。

  ●ベルガーのマシンも

 午後9時25分のスタート前から大勢が訪れ、開場と同時にセナとベルガーのマシンを囲み、写真や動画を撮って楽しんだ。ベルガーのマシンでエンジンを始動するイベントもあり、来場者はエンジンを掛ける際のメカニックの作業に見入り、間近でエンジン音の迫力を体感した。

 セナから「ヘルメットマン」と呼ばれ信頼された川﨑和寛さんによる講演もあった。川﨑さんは世界を転戦していた際の写真とともに、セナの要望を細かく聞きながらヘルメットを制作していたことを紹介した。

 その上で、世界王者となったセナにはレースで優勝、鈴鹿で優勝、母国ブラジルで優勝という時期ごとに三つの目標があったとし、その目標を達成した後に成績が低迷したと指摘。「夢を叶えたことで燃え尽きてしまい、その後は振るわなかったのだろう」と推測した。

 セナの大ファンという熊田秀樹さん(57)=加賀市=は「本にも載っていないようなエピソードを聞けた。自動車文化を浸透させるためにも、北陸でもっと開催してほしい」と話した。

 オープニングでは、角田悠紀市長と吉﨑所長があいさつした。

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