幕内・朝乃山2連勝 大の里、黒星デビュー

 大相撲夏場所(両国国技館)2日目の15日、9場所ぶりに幕内に復帰した東前頭14枚目の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)は西前頭14枚目の妙義龍に完勝し、初日から2連勝とした。幕内復帰戦から得意の右四つで一気に勝負を決める安定した取り口を見せ、「ここからが本当の勝負だ」と気を引き締めた。

 朝乃山はベテラン妙義龍に鋭く当たって右を差し勝ち、左上手もつかんで力強く足を運んだ。「相手のもろ差しが見えたので右を固めて差せた」と手応えをにじませた。

 初日の千代翔馬戦に続き、朝乃山が土俵に上がると会場は大歓声と拍手に包まれ、「白星より、多くのお客さんの前で相撲を取れることがうれしい」と喜んだ。初日の取組後には観戦に訪れた母に「母の日に勝てて良かった」と感謝を伝えた。

  ●石川の3関取は連敗

 石川の関取3人はいずれも初日から2連敗し、苦しいスタートとなった。

 西前頭2枚目の遠藤は大関とりに挑む霧馬山との注目の一番。低く当たったが、相手に上手を引かれ土俵を割った。若元春戦に続く関脇2連戦で白星はつかめず、3日目は結びで横綱照ノ富士に挑む。

 東前頭17枚目の輝は2日連続で物言いがつく接戦を落とした。十両豪ノ山を土俵際ではたき、同時に落ちたものの、軍配は相手に。協議でも輝の足が先に出たとして覆らなかった。

 西十両3枚目の炎鵬は欧勝馬と熱戦を展開したが、最後ははたき込まれた。体重は自己最重量の106キロに増え「最近はおいしい物を探すのが楽しみ。太っただけと言われないよう相撲に生かしたい」と語った。

  ●「切り替え頑張る」大の里

 初日の14日には、2年連続アマチュア横綱で幕下10枚目格付け出しの大の里(本名・中村泰輝(だいき)、津幡町出身、二所ノ関部屋)がデビュー戦で黒星を喫した。日体大の2学年先輩で東幕下11枚目の石崎に土俵際で突き落とされ「相手が強かった。切り替えて頑張りたい」と語った。

 初戦を落としたことで所要1場所での関取昇進は絶望的となったが、大の里は「応援してくれる人に喜んでもらえるよう頑張りたい」と前を向いた。16日の2番相撲で西幕下10枚目の塚原と対戦する。

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