【SNS特報班】明石市 多様で継続的支援が後押し

遊具やおもちゃのそろう室内で過ごす親子=兵庫県明石市大明石町1丁目・あかし子育て支援センター(南日本新聞社提供)

 「子育てしやすい町」として注目を集める兵庫県明石市は、2013年から22年まで10年続けて人口が増加した。けん引するのは0~4歳の子育てをする25~34歳の世帯。18歳までの医療費や第2子以降の保育料無料化、おむつ配布など、多様で継続的な施策が転居を後押ししている。

 4月下旬、明石駅前の複合ビルにある「あかし子育て支援センター」。広々とした室内に未就学児向けの遊具や絵本が並ぶ。十数組の親子が訪れ、思い思いにふれあいを楽しんでいた。

 同様のセンターは市内に5カ所あり、昨年度の利用者は計約13万人。中でも「あかし」は、ビル内に大型遊具がそろう別の遊び場もあり、約8万人と利用が集中する。

 2歳と3歳の子どもがいて週2回程度、同センターを利用する主婦、江谷由香里さん(32)は、医療費無料化を評価している。「1人目のときは分からないことばかりで、体調が悪いときはすぐ病院に行っていた。費用面の心配をせず、見てもらえるのは助かる」

 1~6歳の3人を育てる会社員、水越裕貴さん(32)は、20年に始まったおむつ定期便を末っ子が利用した。3カ月から満1歳になるまでの10カ月、紙おむつや離乳食など3千円相当の用品を毎月届けてくれるサービスだ。「子育て経験のある配達員がいつもいろいろ気にかけてくれると、妻が喜んでいた」と話す。

 公務員、衣笠彩乃さん(36)は、実家があり、子育て施策が充実しているとして、約6年前に隣の加古川市から移り住んだ。子どもは3~8歳の3人おり、1人あたり月額約4万円だった保育料の無料化を歓迎する。「一時的な支援ではなく、各家庭に共通して継続的にかかる費用を援助してくれるのは大きい」と話した。(南日本新聞社提供)

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