比嘉一貴は松山先輩に“連敗” メジャーの練習ラウンドで目にしたワザ

開幕2日前にインコースで練習ラウンドを行った(撮影/桂川洋一)

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前情報(16日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)

9ホールの腕試しにはあえなく負けてしまった。開幕2日前の練習ラウンドは松山英樹と同じ組。4月の「マスターズ」に続く勝負は比嘉一貴にまた黒星がつき、スターバックスコーヒーを「デリバリーしないと」いけない。11年連続出場の先輩のパワーとスキルは、場所がオーガスタでなくてもやっぱり見上げたものだった。

アプローチ、ガン見(撮影/桂川洋一)

16番ホール、ともに左ラフからの2打目は比嘉がショートしたのに対し、松山のアイアンショットはスロープを駆け上がってピン右についた。「ラフからすごくうまい。『無理だろう』というところから、のせてくる。どうやって打っているのか…聞いても、ちょっと分からない」(比嘉)と苦笑いして首をひねる。「パワーの違いと、松山さんは結構(ヘッドを)上から入れているんだろうなと思うんですけど、僕の『上から』とは入射角が違う。さすがだなって思います」

マスターズに続いて一緒に練習ラウンド(撮影/桂川洋一)

初めて訪れたオークヒルCCのフェアウェイは“実物”よりも狭く見える。シューズが埋もれるほど深いラフに曲げてしまえば、「運次第」で、短いクラブでレイアップを強いられるケースがありそう。「フェアウェイさえキープできれば、ダブルボギーとか、大叩きにはならないのかなと感じるけれど、グリーンサイドも外してはいけないところに落とすと難しい」。ミスを警戒するあまり、思い切ってプレーできなくなる心理が浮かぶのもメジャーならではと言える。

リカバリー技術が求められるのは言うまでもないが、グリーン周りはラフからでなくても意外と厄介。「フェアウェイが硬くてバンスが入りづらいというか、抜け感なんかが違う。全英オープンに近いというか…」。そんなシーンでも“差”を感じる。「みんなが歩いてより硬く、少し締まっていても、(松山は)関係なくスピンをかけてくる。ヤバいっす」。3時間弱のセッションで目にしたものは、“スタバ代”の何倍もの価値がありそうだ。

比嘉一貴は前週をオープンウィークにしてメジャーに臨む(撮影/桂川洋一)

今季は欧州ツアー(DPワールドツアー)を主戦場にしている比嘉は、前週ベルギーでの「ソウダルオープン」をスキップして早くから米国入り。ジョージア州アトランタで時差調整をしてから土曜日にコースに入った。まずは初の予選通過をかけた自身3回目、3大会目のメジャーも当然ハイレベル。「毎日1アンダーでも積み重ねれば、トップ10、その近くに行くのかなと。現状はそこまでの自信はないですけど、あまり難しく考えずにやりたい」と2日後のスタートを見据えた。(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)

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