◇国内女子◇RKB×三井松島レディス 最終日（14日）◇福岡CC 和白コース（福岡県）◇6299yd（パー72）◇晴れ（観衆6961人）
右奥からの6mは、プレーオフ1ホール目でも打ったフックラインだった。山下美夢有が確信を持って見送ったボールは、惜しくもカップのふちを1周するようにして外れた。「いや、でももう（バーディパットは）完璧やったので。しょうがないなって感じです」と潔かった。
正規の18番（パー5）でロングパットを流し込み、先に通算11アンダーでホールアウトしていた岩井千怜に土壇場で追いついた。
「最終ホール、あれが入ったのはホントにラッキー」。昨季年間女王の底力を感じさせたシーンを切り取るのではなく、納得のショットをそろえた「66」のプレー全体に胸を張る。「自分のスイング的な感じが戻ってきた。距離も、クラブの入射角とかもいい感じ。しっかり切り替えていきたい」とうなずく。
昨季「ワールドレディスサロンパスカップ」に続いて“母の日”にカップを掲げることはできなかった。「それ（母の日）も考えていましたし、悔しいですね」。歯切れよく答えていたホールアウト後のインタビューは、岩井姉妹がプレーオフで立て続けに見せた直ドラに話が及ぶと涙があふれた。
「やっぱり（2人は）私に比べて飛距離も出るので。私は100yd以内を重点的に練習しないといけない」。3打目のウェッジショットで勝ちきれなかったことに唇をかむ姿から、確かなプライドがにじんだ。（福岡市東区／亀山泰宏）
