G7長崎保健相会合 顧みられない熱帯病制圧へ 長崎大など声明 研究開発の加速目指す

 長崎大や公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)などは16日、顧みられない熱帯病(NTDs)制圧に関する声明「長崎アウトカム・ステートメント」を発表した。医薬品などの研究開発やNTDsで苦しむ人々へのアクセスの加速を目指す。長崎県長崎市で開かれた先進7カ国(G7)保健相会合に合わせて策定した。
 14日に採択した「G7長崎保健大臣宣言」では誰もが適切な医療を受けられるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を掲げた。その中でNTDsは新型コロナウイルス感染症の世界的大流行への対応で後退した保健課題の一つに挙げられている。
 NTDsはデング熱やシャーガス病など約20の熱帯感染症を中心とした疾患群で低所得国の年間16億人以上に影響を与えている。声明には世界保健機関(WHO)や国連開発計画(UNDP)の関係部門、ビル&メリンダ・ゲイツ財団など19の関係機関が名を連ねた。
 河野茂長崎大学長は「日本を代表する熱帯医学研究施設を持つ本学は学術界のみならず、産官学民をつなぎ世界のNTDs対策に貢献していく」とコメントを発表した。
 長崎大などは12日に長崎市内でNTDsに関する国際シンポジウムを開き、課題解決に向けた議論を深めた。

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