天井に浮かぶ「巨大な傘」親子を優しく包み込む 神戸・新開地

利用者を出迎える巨大な傘。装い新たに子育て世代を楽しませる=神戸市兵庫区新開地5

 直径5.2メートルの巨大な傘が吹き抜け空間を覆う。訪れた親子連れを優しく包み込むように。

 ここは神戸・新開地にある複合文化施設「新開地アートひろば」玄関ロビー。「神戸アートビレッジセンター」から今年4月に名を変え、再出発した。子育て世代らも親しめるよう、1階に絵本やおもちゃのコーナー、授乳室を備えた無料スペースを設けた。

 傘は三田市の彫刻家、西村正徳さん(55)による美術作品「The Schoolchild Umbrella / 光の雨」。幼少期の記憶をたどり制作したといい、天井からの光がメッシュ素材の生地を透過し階下に降り注ぐ。

 館内に足を踏み入れた子どもたちは、天井に浮かぶ巨大なオブジェに気づいて驚きの表情に。頭上をまじまじと見つめ、細かな模様に目を凝らすなどアートの世界に魅せられていた。(風斗雅博)

© 株式会社神戸新聞社