暑さ警戒、復旧急ぐ こまめに水分

強い日差しが照りつける中、災害ごみを片付ける作業員=17日午前11時、珠洲市蛸島町

 石川県内が季節外れの暑さに見舞われた17日、最大震度6強の地震からの復旧が進む珠洲市内では、市民らが暑さと戦いながら災害ごみの運搬や後片付けに取り組んだ。住民やボランティアは熱中症にならないよう、こまめに休憩して水分を摂取。「倒れたら元も子もない」と体調第一で作業に励んだ。

 珠洲市蛸島町の市営野球場駐車場に設けられた災害ごみの仮置き場では午前10時ごろ、市内外から応援に駆け付けた自治体職員や民間団体職員らが、吹き出す汗をぬぐいながら壊れた家具や布団、瓦などをトラックの荷台から降ろした。

 参加者には15分ごとの水分補給が呼び掛けられたが、現場では約20台の軽トラックが列をつくるなど、ごみの搬入車両が途切れず、県産業資源循環協会事務局次長の日下(くさか)真由美さんは「水を飲む時間がなかなかとれない」と熱中症を心配した。現場を訪れた蛸島町の50代男性も「きょうは特別暑い」と、しんどそうに話した。

 被害の大きかった正院町正院では、ボランティアが瓦の撤去作業に汗を流した。作業に取り組んだ会社員の伊藤正芳さん(28)=名古屋市=は「気温が高く、瓦で照り返した日光がつらかった。倒れないよう気を付けたい」と話した。

 奥能登広域圏事務組合消防本部によると、17日正午までに奥能登の2市2町で熱中症で搬送された人はいなかった。

作業の合間に水分を補給する災害ボランティア=17日午前10時40分、珠洲市野々江町

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