静岡・御前崎市でグレーチングと呼ばれる道路の側溝に設置されていた鉄製の蓋が、100メートル以上に渡り盗まれる被害があった。周辺でも相次ぐグレーチング盗難、なぜ狙われるのだろうか?
(第一発見者)
「ここから(ふたが)とられた」「これも全部とられている」
盗まれたのは、グレーチングと呼ばれる「鉄製のふた」で、1枚の長さは1メートルで重さは20キロ。現場は、御前崎市の住宅街から車で10分ほどの山の中で、昼間でも人通りが少ない場所。15日、草刈などをするために訪れた近くの住民が盗まれていることに気付いた。実はこの場所、知る人ぞ知るホタルの観察スポットで、これからの時期は静岡県外からも人が訪れるという。
(第一発見者)
「全体にゲンジボタルが出る」
Q:有名な場所ですか?
「浜松や名古屋から来る、もうすぐ(ホタルの)時期」
「夜来るのでふたがないと困る、車が落ちるから」「ここに落ちたら上がれない、ふたをとられると困る」
御前崎市が確認したところ、117枚ほどがなくなっていて、被害総額は約93万円だという。
周辺住民を悩ます盗難被害。2023年に入り、周辺の自治体でも相次いでいる。牧之原市では、2月に4件起き、被害総額は約30万円。掛川市では4月に2件発生し、被害総額は約230万円にのぼっている。御前崎市は、今回の被害を受けて警察に被害届を提出した。グレーチングはなぜ狙われるのか?
こちらは機械部品などをつくる鋳物工場。原料に、廃棄物として回収された鉄スクラップを使っている。担当者は、盗難被害が相次ぐ背景のひとつに、世界的な鉄の高騰があると話す。
(栗田産業 栗田徳光 専務)
「2年ほど前と比較すると、昨年2倍ほど上がった」「ことし落ち着いているが、やはり高値で止まっている」「材質がわからないものは一切取り扱えない」「スクラップ鉄を扱っている業者に持ち込み海外へ流している可能性はある」「直接、鋳造会社で扱うことは100パーセントない」
今回の被害を受けて、御前崎市の担当者は…。
(御前崎市 建設課 村田裕佑 主事)
「見回りの強化などをしていきたいと思っている」「同じような事案があったら市役所に連絡してもらえると助かる」
警察は換金目的の窃盗事件として捜査を進めている。