【カンボジア】太陽光パネル対米輸出、無関税継続か[公益]

カンボジア製の太陽光発電パネル輸出を取り巻く状況が好転しつつある。バイデン米大統領は16日、カンボジアなど東南アジア4カ国で生産された同パネルの輸入関税免除撤廃を盛り込んだ上院の決議案に拒否権を発動したと発表した。ロイターが伝えた。

米国政府は2022年6月、東南アジア4カ国で生産された太陽光発電パネルの輸入関税を2年間にわたって免除する方針を打ち出したが、上院が今月3日に関税免除の撤廃を目的とする決議案を承認。バイデン大統領が同決議案に対する拒否権を発動するかどうかに関心が集まっていた。4カ国はカンボジア、マレーシア、ベトナム、タイ。

大統領の拒否権を覆すには、上院と下院で議員の3分の2が賛成する必要がある。このため、実質的に関税免除の撤廃を盛り込んだ決議案の成立は不可能との見方が強まっている。

バイデン大統領は決議案を拒否した理由を、気候変動に対処するのに不可欠な事業を遂行する上で、米国内で製品供給体制が整うまで東南アジア各国への輸入優遇措置が必要と説明。関税免除期間を当初の2年間から延長する考えはないとも述べた。

米国の業界関係者は、引き続き安価な輸入品を調達できるとして、バイデン大統領の方針に支持を表明した。

米国では、カンボジアなど4カ国からの輸入品が太陽光パネル市場の約8割を占めている。決議案が提出された背景には、無関税の対象となる東南アジア4カ国で中国メーカーが製品を組み立てていることへの反発がある。米国メーカーの保護を訴える声も高まっていた。

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