【台湾】週休3日制に署名5千筆超、労働部が回答へ[経済]

台湾市民の間で、週休3日制の導入を求める声が上がっている。インターネット上で政策に対する意見を提示し行政に参画できるプラットフォーム「公共政策網路参与平台」では5,000人超の署名が集まり、台湾労働部(労働省)が6月26日までに回答する見通し。一方、産業界からは政府に対し慎重な対応を求める声が出ている。中央通信社が伝えた。

公共政策網路参与平台では今年3月に週休3日制の導入を求める意見が提議され、賛成の署名が5,736筆集まり4月26日に通過。同プラットフォームでは賛成署名が5,000件を上回った場合に通過となり、関係機関に対し60日以内の回答を求めることとなっている。

労働部労働条件・就業平等司の黄維チン副司長(チン=王へんに深のつくり)は15日に中央通信社の取材に応じ、政府の関係機関や経済団体などから意見を集め検討した上で、回答期限までに正式に回答すると述べた。

一方、行政院(内閣)の鄭文燦副院長(副首相)は「アジアの各国・地域はまだ関連政策を推進していない」と指摘。国際的な政策の展開状況について近く市民に報告する考えを示した。

■産業界は影響懸念

産業界からは、企業や経済への影響を懸念する声が上っている。

中華民国全国中小企業総会の李育家理事長は、「中小企業の資源と労働力は多くない。週休3日制を導入すれば生産と運営コストへの影響は避けられない」として、慎重な検討を求めた。

中華民国三三企業交流会(三三会)の林伯豊理事長は、週休3日制は企業の運営を困難にし失業率の上昇につながるほか、企業のコストが増加することで、インフレを悪化させる恐れがあるとの見方を示した。また「台湾人に必要なのは休日でなく給与を増やすことだ」と強調した。

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