「広告の原点は戦国期」全広連金沢大会開幕

全国の広告関係者が集まって開幕した第71回全日本広告連盟金沢大会=金沢市の石川県立音楽堂

  ●安部龍太郎氏が講演

 第71回全日本広告連盟(全広連)金沢大会(同大会組織委員会、公益社団法人全日本広告連盟主催)は17日、金沢市の石川県立音楽堂で開幕した。作家の安部龍太郎氏が記念講演し、織田信長が安土城を広告塔にして民衆の心をつかみ、国づくりを進めたことを紹介。「広告の原点は戦国時代にある」と指摘し、来場者は時代をつくる広告の力を再認識した。

 安部氏は北國新聞で連載中の歴史小説「銀嶺(ぎんれい)のかなた―利家と利長」で挿絵に安土城が描かれた紙面を示して講演。信長が建てた安土城に関して「構造や意匠に広告としての粋を極めた造りで、この建物に信長の理念や理想が詰まっている」と述べた。

 大会は全広連創立70周年を記念して開かれた。金沢での開催は2015年以来、8年ぶり4回目で、フルスケールでの開催は4年ぶりとなった。「広告は新たな時代への門だ。」をテーマに全国の広告関係者約千人が出席した。

 同大会組織委員会の福光松太郎委員長(福光屋社長)の開会宣言で始まり、砂塚隆広大会長(北國新聞社社長)は来年春に北陸新幹線県内全線開業を迎えることに触れながら、「新しい時代の広告の力と可能性を見いだす大会にしたい」と歓迎のあいさつを述べた。

 大会あいさつで全広連の大平明理事長が「『広告の元気は、ニッポンの元気。』の活動スローガンのもと、新しい時代の門を開きたい」と述べた。珠洲で震度6強を観測した地震の被災地の復興も願った。来賓の馳浩知事、村山卓金沢市長が祝辞を贈った。東京広告協会の理事長も務める大平氏が次期開催地の東京をアピールした。

 大会冒頭には、ひがし、にし、主計町(かずえまち)の芸妓衆15人による金沢素囃子(すばやし)「寿三番叟(さんばそう)」と、オーケストラ・アンサンブル金沢の二重奏で出席者を歓迎した。

 トークセッションや懇親会も開かれた。最終日の18日は金沢や南加賀の各コースで視察・見学会「めぐりあい旅」を実施するほか、片山津ゴルフ倶楽部で懇親ゴルフも行われる。

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