気比神宮の法主交代…鎌倉時代から伝わる故事を再現 敦賀市で18年ぶり「遊行のお砂持ち」【若越画報】

砂の入った「もっこ」を担ぐ75代一浄上人(中央)=5月14日、福井県敦賀市神楽町1丁目

 時宗に鎌倉時代から伝わる神事「遊行のお砂持ち」。75代法主・一浄上人が5月14日、18年ぶりに福井県敦賀市の気比神宮などで執り行った。雨の中、僧や稚児らの行列とともに同神宮の池に砂を運び、故事を再現した。

⇒悪魔払いして豊作願う…760年前から続く「水海の田楽能舞」

 「遊行のお砂持ち」は、時宗の二祖真教上人が1301(正安3)年、沼地で気比神宮の参道整備が進まないことを知り、自らが土砂を運搬する「もっこ」を担いで海辺の砂を運び、神職や僧、信者らも総出で参道を立派にしたという故事に由来する。

 「お砂持ち」は法主が交代するたびに行われている。一浄上人は2022年1月に法主に就任した。僧や稚児ら約200人とともに「お砂持ち」で整備された参道の「神楽通り」などを練り歩き、真教上人の足跡をたどった。

© 株式会社福井新聞社