ホタル撮り続け30年、作品70点ずらり 日田市の石井さんが写真展【大分県】

展示しているホタルの写真と石井幹夫さん=日田市立博物館

 【日田】ホタルが美しく舞う姿を写真で伝える企画展「ホタルに逢(あ)いにいこう―ホタルがつなぐ日本の原風景」が日田市立博物館(上城内町)で開かれている。6月18日まで。入館無料(午前9時~午後5時)、月曜日休館。

 約30年間、ホタルの写真を撮り続けている市内鈴連町の石井幹夫さん(73)の作品約70点を展示。市内を中心に県内外で撮影したホタルが飛ぶ姿やゲンジボタルの一生を紹介している。

 石井さんのホタルの原点は高校時代まで過ごした福岡県久留米市の川の風景。その後、各地で暮らし、ホタルを見るたびに、久留米市を懐かしく感じた。

 ホタルの魅力に引かれ各地で撮影しているが、近年は自然の変化を実感することが多くなった。川の汚れなどに加え、大雨や水害で生息地が破壊され、ホタルの姿がなくなったり、減ったりしているという。

 2017年7月の福岡・大分豪雨で自身も被災。自宅が全壊し、カメラなどの機材や多くの写真データを失った。企画展では豪雨前の様子、1年後にホタルの光を見つけた時の作品も展示している。

 成長して変化を感じるために、子どもたちにはホタルがすむ環境を見ておいてほしいと願う。「ホタルがいるのは自然が豊かな所。減れば何か原因がある。ホタルがいなくなるということに、大きく思いをはせてほしい」と話した。

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