村上春樹の長編小説『ねじまき鳥クロニクル』を、佐藤優が読み解く! 同志社大学での講義を書籍化

『同志社大学講義録『ねじまき鳥クロニクル』を読み解く』(佐藤優・著)が5月22日(月)に青春出版社より発売される。 悪に無自覚であってはならない──。 人と人との関係の中から悪は生まれ、自らの悪に気づかないことが、さらなる恨みや憎しみを生む。 人々の悪が社会の中で増幅すれば、やがて戦争や虐殺事件のような惨劇につながることもある。

村上春樹の長編小説『ねじまき鳥クロニクル』をテキストとして、資本主義、能力主義、軍国主義など社会システムが生み出す悪から、人間関係の中で生まれる悪まで、人間の「根源悪」の問題についてあらゆる角度から考察する。 母校・同志社大学の教育機関「新島塾」にて行なわれた講義が待望の書籍化。

本書の目次

・人間の根源悪を見つめる ・小説を読むことは自己対話 ・メタファーに隠された意味 ・マルクスが見抜いた労働疎外 ・資本の論理が暴走する時代 ・ノモンハン事変の重要性 ・人体実験は悪魔のしわざか ・エリート参謀・辻政信 ・メリトクラシーによる弊害 ・仏教とキリスト教の「悪」 ・人に会うことは暴力である ・亨が綿谷ノボルを憎む理由 ・自分の悪に気づかない悪 ・「顔のない男」が意味するもの ……ほか

【著者プロフィール】

佐藤 優(さとう まさる)

1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。1985年同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、2009年最高裁で有罪が確定、外務省を失職。2005年に発表した『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社、2006年)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『獄中記』(岩波書店)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『人に強くなる極意』(青春出版社)など著書多数。

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