さまざまなモノの値段が上がっている中、その波はチョコレートにも押し寄せています。あの人気チョコレート菓子は約30年ぶりに値上げ。静岡県内の洋菓子店も原料の高騰に頭を抱えています。
チョコレートの原料、カカオ豆。静岡市葵区にあるチョコレート専門店「コンチェ」では、8か国のカカオ豆を使い、チョコレート菓子を製造・販売しています。
<コンチェ 田中克典代表>
Q.どこの国の豆ですか?
「アフリカのガーナです。日本に入ってくるカカオ豆の70%近くがガーナ」
いま、チョコレートの原料カカオ豆の価格が上がっているのです。カカオ豆の国際価格は約6年8か月ぶりの高値で推移していて、2022年10月と比べると26%上がっています。産地を襲った長雨などでカカオの木が病気になり、収穫量が減っていることやコロナ禍による物流コストの上昇などが主な原因です。
<コンチェ 田中克典代表>
Q.客が手に取るチョコレートの値段にも影響してきますよね?
「仕入れの価格が変わってくるので、今後また値段の改定は出てくる」
大手メーカーでは、すでに商品の値上げをしています。2023年2~4月までに「ポッキー」「チョコボール」「アポロ」などが値上げ。さらに6月には「きのこの山」「たけのこの里」が31年ぶりに値上げするほか、7月には「アーモンドチョコレート」も値上げをする予定です。
影響は洋菓子店にも…。2023年で35年目を迎える静岡市の洋菓子店「ぷるみえ~る」。23年イタリアで行われた世界大会で3位になるなど、その味が高く評価される店です。
<牧野良弘オーナー>
「フランスのチョコレートです。去年の今ごろでは3000円台で買えたが、今年は5000円に上がっている。こんなに上がったのは初めて」
Q.3000円台は戻ってこない?
「まずないと思う」
洋菓子の材料となる卵や小麦粉、そして光熱費などが値上がりする中で追い打ちをかけたチョコの値上がり。この店では7月から無人レジを導入し、人件費を削減しようと考えています。
<牧野良弘オーナー>
「値上げはしょうがない。上がった部分は下がらないと思う。高値に見合った商品づくりをしていきたい」