卓球・石川佳純が引退会見 神奈川の師との浅からぬ縁とは

誕生日パーティーで記念撮影する近藤氏(右)と石川=昨夏、横浜市内(同氏提供)

 18日に引退の記者会見を開いた卓球女子の石川佳純(30)=全農=。五輪3大会連続でメダルを獲得した日本のエースは、「天才少女」と呼ばれ注目を集めたジュニア時代から、神奈川ゆかりの指導者と浅からぬ縁があった。

 現役引退を自身のSNSで発表する3日前、石川はある恩師にメールを送っていた。「引退します。たくさんの夢を実現できて、卓球をやりきりました」

 その相手とは、元卓球女子日本代表監督の近藤欽司氏(横須賀市在住)。当時14歳の石川を「まだ実績がない中で将来性を買った。試合終盤の競り合いでも強気で攻めることができる。当時の女子選手では珍しいタイプだった」と評価し、代表に抜てきしたのが近藤氏だった。

 代表監督を退いてからも関係は続いた。マレーシアで開催された2016年の世界選手権団体戦、石川は予選リーグでドイツの選手に敗退。決勝トーナメントでもドイツと対戦することになり、石川は近藤氏を頼り、電話で助言を乞うた。対策を練ったドイツとの再戦で見事雪辱を果たし、日本を銀メダル獲得に導いた。

 昨夏、近藤氏が80歳の誕生日を迎え横浜で開かれたパーティー。石川はサプライズで登場して会場を大いに沸かせた。遠征の合間を縫って多忙の中、駆けつけたという。

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