ジーコ氏、水戸で講演 創造・主体性が重要 選手育成、指導者に伝授

県内のA級・B級コーチ取得者に向け熱く語るジーコ氏=JAいばらきスポーツパーク

サッカー指導者に学びの機会を設けようと、茨城県協会の指導者研修会が18日、水戸市下国井町のJAいばらきスポーツパークで開かれた。J1鹿島のクラブアドバイザーであるジーコ氏が講師を務め、指導者の「創造性と主体性」が選手育成で重要と指摘した。

ジーコ氏はまず「サッカー選手になれずとも、一人の人間として人生を歩める育て方が大切」と前置きした。

14歳のフラメンゴ入団を機に、本格的にサッカーを始めた同氏。近年は幼い頃からサッカー選手を目指す環境があるとし、保護者が熱心に子どもの育成に取り組み、サッカーを「させる」こともあると指摘した。「親が職業を決めつけるべきではない。子どもは自然にサッカーに取り組み、いい選手になる」とした。

指導の要点は小中高と年代別に分けて説明。特に小学生には「楽しむこと」が優先、「サッカーをやり続けたいと思えること」が肝とした。中学生はサッカー選手への分岐点で、高校生はプロへの準備期間と位置付けた。共通して「対話」の必要性を挙げた。指導者が子どもを観察し、才能を見いだし、発揮させるように促す指導が大切とし、「指導者の一言で子どもたちは違った才能を見せる」と語った。

指導にも独創性が大事と説いた。「自分の考えで指導すること。一人一人のやり方がある。人のまねをしても良くならない」とした。現場ではパワーハラスメントなどへの配慮もあるが、「子どもたちに向き合うときも、寄り添うこと、リスペクトすることが重要」と述べた。

© 株式会社茨城新聞社