師弟対決制したモウリーニョのローマが2季連続欧州ファイナルへ! シュート1本も専守防衛で23本のシュートを防ぎ切る《EL》

写真:Getty Images

ヨーロッパリーグ(EL)準決勝2ndレグ、レバークーゼンvsローマが18日にバイ・アレーナで行われ、0-0のドローに終わった。この結果、2戦合計0-1としたローマが決勝進出を決めた。

モウリーニョ監督とシャビ・アロンソ監督の師弟対決初対決に注目が集まった先週のスタディオ・オリンピコでの1stレグは、ホームのローマがボーヴェのゴールを自慢の堅守で守り切って1-0で先勝した。

敵地での初戦を落としたレバークーゼンは、ほぼ主力を起用して臨んだ週末のシュツットガルト戦を1-1のドロー。これで公式戦4試合未勝利となり、ホームでの大一番に弾みを付けられなかった。逆転を目指すバイ・アレーナでのリターンレグでは先発3人を変更。負傷のコスヌとアンドリッヒの代役にバッカー、デミルバイを起用したほか、フロジェクに代えてアズムンをディアビと共に最前線に置いた。

一方、ホームアドバンテージを生かして先勝に成功したローマは、直近のボローニャとのアウェイゲームで一部主力を温存。後半の主力投入であわよくばの勝ち点3奪取はならず、0-0のドローに終わったが、今回の一戦にコンディションを整えてきた。そして、ポルトガル人指揮官は初戦と全く同じスタメンを採用した。

互いに[3-5-2]の布陣でスタートした中、ローマが開始早々の2分に最初の決定機を作り出す。エイブラハムを狙ったロングボールからセカンドを拾ったペッレグリーニがペナルティアーク付近から右足を振るが、これは惜しくも枠の左に外れる。

以降はアウェイ仕様のリスク回避の戦い方を見せるローマに対して、レバークーゼンがボールを握って攻勢を強めていく。そして、攻撃を着実にフィニッシュで完結していくと、12分にはカウンターから快足を飛ばしてボックス右に持ち込んだディアビがクロスバー直撃の右足シュートで最初の決定機を作った。

早い時間帯のゴールを逃したレバークーゼンだが、背後のリスクを引き受けながら全体を押し上げて厚みのある攻撃を継続。相手守備を崩し切るまでには至らずも、デミルバイがミドルレンジが得意の左足のシュートを枠内に飛ばしていく。

前半半ばから終盤にかけてもレバークーゼンペースで試合が進む中、守勢のローマにアクシデント発生。筋肉系のトラブルに見舞われたスピナッツォーラがプレー続行不可能となり、34分にザレフスキがスクランブル投入された。守勢に負傷交代と嫌な流れが漂うアウェイチームだったが、初戦同様に要所を締める守備でホームチームの攻勢を凌ぎ切って0-0のまま前半を終えた。

迎えた後半、先に動いたのはローマ。ベロッティを下げてワイナルドゥムをハーフタイム明けに投入し、ペッレグリーニを2トップの一角に上げた。

ハーフタイムの修正によってボールは握られながらも、より安定した対応でレバークーゼンの攻撃を撥ね返すローマ。これによってフラストレーションを募らすレバークーゼンは、パラシオスがマティッチに危険なカニばさみでのタックルでイエローカードをもらうなど自らリズムを失う。

それでも、後半半ばを過ぎると、右サイドで質的優位をもたらすフリンポンを起点にレバークーゼンが良い形の攻めを見せ、デミルバイの強烈なシュートでGKルイ・パトリシオにファインセーブを強いる。

さらに、シャビ・アロンソ監督はバッカー、パラシオス、ターと守備的な選手を下げてアドリ、フロジェク、アミリとアタッカーを続けてピッチに送り出し、力業でのゴールを目指す。81分にはそのフロジェクのお膳立てからボックス内のアズムンに絶好機が訪れるが、鋭く振り抜いた右足シュートはわずかに枠の左へ外れた。

一方、筋肉系にトラブルを抱えたチェリクを諦めて負傷明けのスモーリングを投入したローマは、ここから完全に専守防衛の構えを見せる。屈強な3バックの前にポジションを上げたクリスタンテがマティッチと並び2段構えの防波堤で相手のロングボールやクロスをことごとく撥ね返した。

その後、8分が加えられた後半アディショナルタイムも身体を張った守備と狡猾に時計を進めるプレーで逃げ切ったローマが、シュート1本に対して被シュート23本という劣勢のアウェイゲームを0-0のドローに持ち込んだ。そして、シャビ・アロンソ監督との師弟対決を制したモウリーニョ監督は、2シーズン連続で欧州ファイナル進出を決めた。

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