【杵築】杵築市立図書館(南杵築)が館内のエントランスにピアノを常設した。6月から毎週土曜日の30分間、演奏できる利用者には自由にピアノを弾いて楽しんでもらう。県内では珍しい取り組みで、施設利用を促す。栗屋文世館長は「図書館は静かにが常識だが、来館者の理解を得ながら始めたい。本に興味がなくとも気軽に立ち寄ってほしい」と話している。
市立図書館は2018年3月、現在地に移設オープンした。新設する際、市民から「音楽ホール」の併設を望む声が出ていたという。市民の有志が、昭和後期から使われていたピアノ(カワイ製)を無償で提供した。
演奏は土曜日正午からの30分間を予定している。利用者の希望があれば延長する。
20日午後1時から、お披露目を兼ねたイベント「お気軽ピアノ開き」がある。小学生ら市民の有志8人が映画音楽やクラシックを演奏する。
開館から5年目。同図書館の利用者は昨年10月に30万人を突破した。栗屋館長は「地方の図書館は本の貸し借りだけでは生き残っていけない。今後も新しい図書館の在り方を模索したい」と話している。