豪邸で家族ぐるみのロマンス詐欺

香港警察は5月17日、香港を拠点として親兄弟や夫婦など家族ぐるみでロマンス詐欺を行っていた男女15人を逮捕したと発表した。サイバーセキュリティーとテクノロジー犯罪を担当する網絡安全及科技罪案調査科によると、容疑者は22~70歳(男10人、女5人)。そのうち43歳の主犯格の男とその兄が女性になりすましアプリのアカウントを使ってターゲットの男性にコンタクトする役割をしていた。彼らの母親が詐欺で得た利益を管理するなど、仲間内で細かく分業していたという。主に香港人男性をターゲットにしており、容疑者たちは海外在住者などさまざまなキャラクターに扮して病気や生活苦、遺産相続などいろいろな口実をつけて金銭を要求。被害者は155人(18~43歳、男性154人、女性1人)に上り、中には親族やファイナンス会社から借金をした人もいる。被害額は1500ドル~1万ドルと人によって異なるが、総額は2100万ドルに達する。そのうち被害最大のケースは100万ドルで、被害者はそそのかされて銀行口座を貸してしまい、マネーロンダリングの片棒を担がされたという。詐欺一家が住んでいた沙田に位置しセキュリティが厳しくプライベートプールもあるという豪邸からは、名車2台、高級時計2個、携帯電話23個、30万ドルの現金が見つかり警察が押収した。警察ではもっと多くの余罪があるものと見て捜査を進めている。

© HKP