裕子夫人たち首脳のパートナーが訪れた茶道・上田宗箇流・家元では、事前に準備を重ね、“最高のおもてなし” を目指したといいます。
茶道に使った道具も代々、上田家に受け継がれる貴重なものだったようです。
上田宗箇流師範代 福間宗伸 師範代
「おめでたい雰囲気を味わっていただく」
広島の地で400年にわたり受け継がれた武家茶道、上田宗箇流。関係者は、外務省や大使館とリハーサルを重ねて準備を進めてきました。
各国首脳のパートナーたちがスリッパで移動しやすいよう畳敷の廊下には全てじゅうたんを敷き詰め、足元が暗いところには行燈風のライトを用意しました。
一行が、歩いたルートは…
上田流家元夫妻の先導のもと、「書院屋敷」の玄関を入ると、200年前の江戸時代から上田家に伝わるという太陽と月の掛け軸。
長い廊下を抜けて、庭をながめながら進むと昼食会場です。
新春行事「初釜」で毎年、使うという華やかな鶴の屏風。飾り物は全て、一行にふさわしいものをと、今回のために家元自らが選んだということです。
ここでは煮物や寿司などの和食がふるまわれました。
昼食のあとは茶室がある「和風堂」へ。茶会で使う茶碗も伝統ある貴重な品です。
福間 師範代
「左から順番に使う順に決まっています」
― 裕子夫人の茶わんは?
「こちらです」
ー 茶碗は古いんですか?
「 ”李朝染付” といいまして、朝鮮李朝の時代につくられました染付の茶碗でございます。450年くらい前だとは思いますけど、代々、上田家に伝わる茶碗でございます」
茶碗も、数ある中から今回のために家元が選びました。
福間 師範代
「やはり季節的なものだと思います。初夏ですから。涼しそうなお茶碗を選ばれたのと、外国の方なので絵のついたきれいなものも入れてみました」
菊の絵が入った茶碗は、御室焼と呼ばれる江戸時代のもので、内側には鳳凰が描かれています。
茶室に飾られたのは、江戸時代の松の掛け軸。代々、伝わる貴重な品と武家茶道のお点前で広島の文化を伝えたいと願っています。
福間 師範代
「日本の文化を少しでも感じていただいて、初夏の雰囲気・季節感を感じていただいて、仲良くお話できて、いうような雰囲気ですかね、それを感じていただけたらと思います」