月着陸船にブルーオリジン 米2社目、29年使用へ

アルテミス計画で使われるブルーオリジンの月着陸船「ブルームーン」のイメージ(同社提供・共同)

 【ワシントン共同】米航空宇宙局(NASA)は19日、国際月探査「アルテミス計画」で使う月着陸船の開発企業に米ブルーオリジンを選定したと発表した。船名は「ブルームーン」で、2029年に飛行士を月の南極近くに降ろす。開発企業の選定は米スペースXに続き2社目。複数の輸送手段を確保して計画を堅実に進めるほか、産業育成や競争によるコスト低減も狙う。

 29年には飛行士4人がNASAの宇宙船で月上空まで行き、うち2人が今後建設される宇宙ステーションで着陸船に乗り換え、降下する。着陸船は高さ16メートル、重さ16トンで、液体酸素と液体水素を燃料に使う。昼夜や場所を問わず着陸し、飛行士らが30日間滞在できる設計で、将来的には探査車や居住施設に人が直接移れるようにする。月面に30トンの荷物を運ぶ手段にもしたいという。

 ブルーオリジンはインターネット通販のアマゾン・コム創業者ジェフ・ベゾス氏が設立した。開発費は70億ドル(約9600億円)程度とみられる。

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