松山英樹「状態悪すぎ」もガマンの予選通過 終盤ティショットに光

2日目は我慢の「71」でプレー(Maddie Meyer/PGA of America via Getty Images)

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 2日目(19日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)

耐えに耐えて、週末に望みを繋いだ。初日の「72」に続いて松山英樹はこの日「71」と再びオーバーパー。ショット、パットともに苦しみ、予選カットへの緊張感も「状態が悪すぎて、そこまで考える余裕もなかった」と、頭から抜け落ちてしまうほど目の前に集中。ガマン大会の様相を呈するメジャーで、首位とは8打差の通算3オーバー35位で決勝ラウンドに向かった。

折り返しの18番直後に曲げるシーンは続いたが…(Maddie Meyer/PGA of America via Getty Images)

スタート前の練習ではなかなか“締め”の一発が決まらなかった。ドライビングレンジで1Wを打ち始めると、“カチャカチャ”と何度かヘッドを取り外して交換。その後アイアン、ウェッジの最終確認を終え、もう一度握った1Wでのショットは悪い感触を拭うまでに6球かかった。

不安に反して開始10番でフェアウェイをとらえ、「出だしでうまく打てたのでちょっと気分よくスタートできた」と安どしながら中盤は荒れ模様。特に「18番から変な感じになりました」と折り返し直後は1Wで左に曲げるシーンが相次いだ。3W、3W、ウェッジとつないだ前半13番(パー5)からの2連続バーディを守るのに必死だった。

必死のスコアメーク(Maddie Meyer/PGA of America via Getty Images)

チャンスを決めきれなかったパッティングを含め、「この状態でよく3オーバーでまとめられた」と振り返る。もがきながら、大崩れしないためのリスクマネジメントも光った。後半6番、左ラフからグリーンエッジまで260yd以上残った2打目で一度は手にした3Wをアイアンに持ち替えた。フェアウェイに刻んで3オン2パットのボギー。「いつかは出ると思うが、あそこもダブルボギーを打ちそうな雰囲気はあった。そこを抑えられているのは良かった」と冷静さは欠いていない。

上位に近づくための好材料はある。上がり2ホールはいずれも1Wで狭いフェアウェイの真ん中をとらえた。バーディにつながらなくても、「最後の8番、9番で良いティショットが打てたので」と納得。首をはじめとした体に強い痛みを覚えるような様子はなく、良い流れが来れば…と思わせる雰囲気がわずかでも出てきた。

上位の背中はまだ見えている(Maddie Meyer/PGA of America via Getty Images)

初日16人いたアンダーパーの選手は時間を追うごとに少なくなり、36ホールを終えて9人だけに。ムービングデーの出来次第ではタイトル争いに加われる。「伸ばし合いよりは、ガマンしていればチャンスが巡ってくるかもしれない。いい位置で終われるように頑張りたい」と胸に欲を秘めたまま意気込んだ。(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)

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