経済的威圧に対抗、新枠組み創設 中ロ念頭にG7首脳合意へ

 先進7カ国(G7)は20日、経済的威圧に対抗するための新たな枠組み創設で合意する。英国政府が発表した。中国やロシアを念頭に、貿易や投資の制限などを通じた他国への圧力行使を防ぐ。首脳会議(G7広島サミット)で20日午後に開く経済安全保障の討議で協議し、共同声明を発表する見通しだ。

 英国政府によると新枠組みは「経済的威圧に関する新たな調整プラットフォーム」。各国の政策立案者や企業、研究者による情報共有や政策立案を行う。経済的な威圧行為が行われた場合に迅速な対応を調整する役割も担うという。

 サリバン米大統領補佐官は20日、広島市内で記者団に「G7首脳が(中国を念頭に置いた)経済的威圧などへ対処する共通政策を協議する」と述べた。協議内容には、米政権が検討する中国への投資規制も含まれるとの見通しも示した。

 G7サミットで経済安保を集中的に討議するのは今回が初めて。半導体や重要鉱物などの安定的なサプライチェーン(供給網)構築に向けた協議も行う見通しだ。

© 一般社団法人共同通信社